まとめ
2回の記事に渡り、分散ファイルシステムの導入とテストを行った。 第一回では、インストール手順を紹介し、第二回では、主にバージョン管理システムのリポジトリとして利用する事を想定し、いくつかのテストを行った。
テストの結果、GlusterFSは堅牢かつ柔軟なファイルシステムを供給する事が分かった。
ボリュームの容量が不足している時にはサーバーを増設する事で簡単に容量不足を解消できる。また、一部のサーバーに障害が発生した場合も、迅速に別サーバーと交換する事が可能である事も確認した。
その一方、アクセス速度等の性能については、GlusterFSを利用する場合とそうでない場合で、無視できない差がある事も確認した。
性能については今後のバージョンで改善される可能性もあると思われるが、現時点において導入を検討する場合、アクセス速度が許容範囲であるかどうかを事前に確認する事が重要だろう。今回はsubversion と gitで検証を行ったが、利用するアプリケーションによっても性能差が大きい事を確認している。
SubversionではGlusterFS導入によるオーバーヘッドは大きく、gitでは少なかった。ストレージ性能がアプリケーション全体の性能にどれだけの影響を与えるかは、それぞれのアプリケーションごとに差異があると考えなくてはならない。
アクセス性能について許容範囲ならば、これほど柔軟で堅牢なシステムが利用できる事は大きなメリットになるだろう。たとえば利用人数が限られているが利用容量は際限なく膨らむ可能性のある社内の書類置き場、サーバーのログファイルの保管場所、バックアップファイルの保管場所等に利用する場合、大きなメリットを享受できるだろう。また、高性能ファイルシステムを利用可能でアクセス性能について心配がないなら、それこそ利用方法は無限大である。
今後のGlusterFSの発展に期待したい。