少し古い情報ですが2009年7月頃に、2009年版の組込みソフトウェア産業実態調査報告書が公開されています。 これは、経済産業省がおこなっている組込みソフトウェアに係る企業・個人を対象に調査を行い、その調査結果をまとめた資料です。2003年から毎年行っているようです。
調査内容も多岐にわたり、
- 経営者及び事業責任者向け
- プロジェクト責任者向け
- 技術者個人向け
- 海外向け
と分けられて詳細な調査報告が掲載されています。
ref.2009年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書の公表について(METI/経済産業省)|
2009年時点で組込みソフトウェア開発のプロジェクト概要をみていると、
プロジェクトの予算
- 開発の基本方針として、自社開発をしている企業が5割(系列会社含む)
- プロジェクト費用の総額は2000万~5000万が最も多く(約19%)、次いで5000万~1億(約18%)
- 1000万~1億規模のプロジェクトが全体の50%
開発ソフトウェア
- 新規開発(コード)行数の平均は21.7万行
- 新規、既存あわせた行数の平均は181万行
- 言語はC言語で約68%が利用
このソースコードの規模の大きさに驚きます。 新製品を開発する場合、ゼロからソースコードを書くことは考えにくく、 ほとんど既存の製品で開発したコードを再利用して新しい機能を組込み、製品化しているだろうと想像できます。 実際にソフトウェア開発は組込み以外では、エンタープライズ系も同様に過去の資産を再利用して開発することはけっこうあります。このとき開発規模が小さければ、過去の資産を利用するのか、捨てるのか判断は比較的簡単にできますが、上で挙げたように組込みの場合簡単ではなさそうです。
その判断を下すための調査だけで、開発者の仕事は楽しいものではなく泥臭い作業になる場合がほとんどです。 現場では、スパゲティプログラムと言われるコードやツギハギだらけのライブラリ群。このような過去の資産を取捨選択し、方向だけでも教えてくれる仕組みがあればどれだけ助かるか分かりません。
ソフトウェア開発をサポートするツールはたくさんありますが、普及していない、便利さが分からない、メリットがわかりにくい、など埋もれている製品がたくさんあります。
今後、ソフトウェア開発(プロジェクト管理)に活用できる情報やツールなどを調査していきたいと思います。